「デジタル世界で働く時代が訪れる」CryptoKitties Co-Founder Bennyインタビュー

こんにちは。GameWith人材戦略部の牧野です。

先日公開したLoom Network×GameWithハッカソンの記事CryptoKittiesのCo-founderであるBennyが遊びに来てくれたことに触れました。

ハッカソンの翌日に急遽Bennyとインタビューを実施。今回はBennyとブロックチェーンゲーム業界の現状とこれからについて話してきました。また本インタビューは若者向けブロックチェーンコミュニティを運営しているCryptoAgeファウンダーのObiと共に行いました。

ブロックチェーンプロジェクトにとってコミュニティは重要


牧野:日本滞在は楽しんでいますか?今回の目的を教えてください。

Benny:日本のCryptoKittiesコミュニティと直接接することが目的です。日本人はCryptoKittiesのプレイヤー人口のトップ10に入っています。例えば日本のお隣、韓国と比較すると10倍以上の規模です。今回の来日は日本だけでなく香港や上海などのアジア圏をツアーしています。日本はゲームやアニメなど、深みのある特有な文化を持っていて非常に魅力的な国だと感じています。Meetupも大成功でした。また近日中に再来日し、ハッカソンを開催したいなと思っています。

日本にはブロックチェーンテクノロジーに興味を持つ企業が多数存在するため、彼らと会うことも今回の来日の目的でもあります。大半の企業はまだブロックチェーンの知識は浅く、リスクなどはまだ理解されておりません。基本的には「仮想通貨交換ビジネス」に多くの興味を寄せていることがわかりました。

牧野:CryptoKittiesのホワイトペーパーでもコミュニティの重要さに触れられています。

Benny:ブロックチェーンや仮想通貨に熱意を持ったコミュニティがグローバルレベルで存在します。これはICOが一つの要因だと思います。あらゆる投資家が仮想通貨やトークンを購入することができます。彼らはそのコミュニティの一員になることで、対象のプロジェクトを盛り上げようとプロモーションする義務感のようなものを感じています。ブロックチェーンのプロジェクトにとってコミュニティは欠かせないピースです。

CryptoKittiesも初期段階でテレグラムのグループを作りました。すぐに1500名が登録し、想像以上のスピードでコミュニティができました。ただ、メッセージ数が多かったため、情報の見落としや、コミュニケーションロスが生じていました。

そこで、Discordのグループチャットを立ち上げ、効率的にコミュニティと接するようになり、現在は2万人ほどのメンバーがいます。Discordの場合、チャットのモデレーターなどヘルパー、コンテンツクリエーター、アドミンなど様々の役割を持った人間が一丸のコミュニティとなっています。

ブロックチェーンプロジェクトにとってコミュニティは最も大切なアセットであることは過言ではありません。コミュニティがなければCryptoKittiesは失敗に終わっていたと思います。

ブロックチェーンゲームの界隈を見渡すと多くのタイトルはCryptoKittiesを参考にしていることが判ります。他ゲームを作った人はCryptoKittiesのコミュニティの一員でもあり、「自分のゲームタイトルを作ろう!」と思った方も多いはずです。

CryptoKittiesのコミュニティからこのような動きが出ることは素晴らしい事だと思います。そして、将来的にはCryptoKittiesを超すビッグタイトルが誕生することを願っています。インスピレーションの連鎖反応が起きて業界が発展していく。これもコミュニティが大事な理由です。

牧野:CryptoKittiesの今後のロードマップについて教えてください。

Benny:まずCryptoKittiesに関わる我々の体制について知っていただく必要があります。

弊社のパートナー企業のAxiom Zenは創立5年目のベンチャースタジオです。Axiom Zenはたくさんのプロダクトチームが存在する会社です。中でも、2つのスタートアップが収益性の高い結果を残しています。一つはZenHub、もう一つはRoutificです。

CryptoKittiesはAxiom Zenでスタートしたプロジェクトです。4,5人で結成され、当初はスマートコントラクト事業に携わっておりました。Axiom ZenはAR/VRのスタジオを買収したのですが、そこには人工知能のラーニングマシーンと非常に優秀なデザイナーがいたのでプロダクトのデザインとインターフェースを作れると思っていました。CryptoKittiesはこのチーム内のプロジェクトとして立ち上がったのです。

現在、CryptoKittiesはAxiom Zenより独立し、Dapper Labsという会社が所有権を握っています。Dapper Labsはブロックチェーンテクノロジーを提供・開発する企業であり、CryptoKittiesはブロックチェーンゲームです。Dapper Labsのもう一つの機能はツール開発です。開発されたツールはCryptoKittiesをさらに拡大させる目的があります。

ブロックチェーンゲームには大きな課題が2つあります。1つはUX(User Experience)、もう1つはディストリビューションです。特にUXは深刻です。ユーザーがCryptoKittiesをプレイする場合はまずEthを購入し、ブラウザウォレットのメタマスクをダウンロードする必要があります。ゲームを始めるまでのステップが煩雑です。Dapper Labsではこの手間を省くためのツールを開発しています。

ツールはCryptoKittiesでテストする予定です。CryptoKittiesのUXを改善し新規ユーザーの離脱防止、リテンションの向上を目指します。UXを改善するツールはCryptoKittiesのみならず、ブロックチェーンゲームの業界全体を効率化するでしょう。もうお分かりだと思いますが、我々はゲーム会社ではなく、本質的にはテクノロジー企業と言っても良いでしょう。

またCryptoKittiesはモバイルへの展開を重要視しております。結果的にCryptoKittiesのIPがサンリオのハローキティのようにアジアに拡散・拡大していくでしょう。

デジタル世界の新しい雇用形態が生まれる

牧野:ブロックチェーン業界の趨勢をどう見ていますか?

Benny:これまでのゲームの歴史と比較するとCryptoKittiesは「たまごっち」のようなスタイルだと考えています。CryptoKittiesのリリースから時間が経ち、ブロックチェーンゲームの第二期が到来しています。

最近ではZombie BattlegroundGods Unchainedといったトレードカードブロックチェーンゲームが流行し始めています。さらに時間が経てば第三期としてRPG風のゲームが誕生するでしょう。

ブロックチェーンテクノロジーはゲームループ(ゲームの仕組み)を新しく作りあげるものではありません。ブロックチェーンゲームは今後テクノロジーにより進化し、アイテムが増えるなど、仮想通貨利用者が増え拡大するでしょう。

ブロックチェーンゲームと通常のゲームの大きの違いはUXです。現在のUXに我々はまだまだ納得していません。よくあるフリーミアムモデルのゲームはスマホ向けに、そうではないタイトルはそれぞれのプラットフォームに特化した形をブロックチェーンゲームにインプットすることが重要です。

UXの改善が実現すると、大手ゲームデベロッパーがブロックチェーンゲームに興味を持ち、収益性が良い新しいビジネスモデルであることに気付く時がきます。日本国内の大手ゲームデベロッパーもブロックチェーンゲームに対しての理解が進んでいません。とてもニッチなビジネスで収益性が少ない領域だと捉えています。

それも当然ですよね。彼らはDAUが数百万、数千万のユーザーを持っています。Ethereumのブロックチェーンゲームは多いゲームでもDAUが数百しかありません。そのためブロックチェーンゲームに取り組むイメージを持つことが難しいんです。

だからこそGameWithさんのようなメディアを通じて、デベロッパーにブロックチェーンゲームが将来性のあるカテゴリーであることを伝えて頂きたいです。

牧野:最後の質問です。ブロックチェーンゲームの登場によって「ゲームが仕事になる」世界が現実になるかもしれませんよね。そのために必要なことは何でしょうか。

Benny:人間は毎日限られた時間を過ごしています。朝起きたら仕事場に向かいますよね。仕事は1日の半分以上を要します。家に帰ってからはご飯を食べてトイレに行き、お風呂に入って就寝します。自由に使うことのできる時間僅かなものです。

ブロックチェーンゲーム業界には道が2つあります。1つの道はユーザーの限られた時間で遊んでもらうファイナルファンタジーよりも楽しいブロックチェーンゲームを作ること。これは現段階では今すぐ実現するのは難しいです。

もう1つの道は仕事の時間を使うことです。世の中の進化は速く、デジタルアセットや仮想通貨はデジタルをよりメインストリーム化させ、デジタルの世界で働くことができる人が増えます。

飽和した業界が多いリアルの世の中でマーケットシェアの競争は難しいです。今後は商品のシェアの奪い合いではなく、職のシェアの奪い合いが理想的ではないでしょうか。AirbnbやUberのようにインターネットを通じて新しい仕事が創り出される流れがあります。

同様に仮想通貨は世界中で価値の取引をリアルタイムで行うことが可能です。例えばVRの空間にデジタルアセットを置き、それらに価値を持たせることも可能です。XRの共通点はリアルです。誰もがVRの中にアイテムを作ることができ、それらがトークンとして発行されるようになる。そのトークンには価値がつき、人はデジタルの世界のアセットを流通させることができる。これが実現されると多数の新しい仕事が誕生します。

職場に行く必要もありません。デジタルの世界で働くということはハワイからでも働けるということです。実例としてCryptoKittiesのコミュニティでは本業の仕事を辞めて、専門ブリーダーとしてKittiesの購入・販売で収入を得て生活している方が何名もいます。この現象がさらに拡大し、デジタルアセットと仮想通貨のみで生活できる人は増えてくると予想しています。

こういった流れが常態化するまでには3年から5年はかかると思います。まずは仮想通貨の利用者が増え、仮想通貨とデジタルアセットを理解することが大前提となります。

デジタル世界で働くような時代が訪れるよう、我々は邁進しています。ゲームはエンターテインメントです。テレビ番組や映画を見るのと同じような楽しい価値のある経験がブロックチェーンゲームで実現され、これまでにない新しい仕事のスタイルに加わっていくでしょう。

牧野拓也
人事部所属、GameWith Magazine編集長。1989年生まれ、愛知県出身。2018年3月より現職。
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