「オトナと違うチャンネルを持つ若者こそブロックチェーンを」東大ブロックチェーン研究会BitPenguin代表インタビュー

こんにちは。GameWith人事部の牧野です。

ブロックチェーンに関心を寄せる人の中には若い人が少なくありません。Vitalik ButerinがEthereumを考案したのは彼が19歳の時でした。

今回は東京大学を中心として構成されるブロックチェーン研究会BitPenguinの2人の代表へのインタビューを通し、若者目線でブロックチェーンをどのように捉えているかをお話します。

ブロックチェーンを学ぶ場所がなければ自分たちで作る

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田原 弘貴(写真左)東京都出身。東京大学文科一類に入学後同工学部システム創成学科4年生。大学では交通データの解析の研究をしている。中小企業診断士。ブロックチェーンを含めたインセンティブ設計に興味がある。Twitter @creo_1082

大森 晃太朗(写真右)岡山県倉敷市出身。東京大学工学部システム創成学科4年生で、大学では数理手法や機械学習を使った画像認識の研究をしている。最近ではブロックチェーンがもたらす分散化の意味に興味がある。Twitter @ktromr

牧野:お二人のブロックチェーンとの出会いを教えてください。

大森:家入一真さんがやっているPolcaのような少額寄付の仕組みに関心を持っていました。大きな野望とか夢とか大義名分に対して大きな金額を寄付するんじゃなくて、旅行に行きたいとかパソコンを買いたいとかちょっとしたことに、ちょっとだけお金を寄付するみたいな仕組みです。ちょっとしたことだけどもしかしたらその人の人生が変わるようなきっかけになるかもしれないし、そう言うチャンスを創り出す仕組みとして関心を持っていました。

そこでビットコインを知りました。ビットコインを使えば少額の金銭的価値を個人間で送金できる。ビットコインが作られるブロックチェーンの仕組みを使えばPolcaのようなサービスが作れるんじゃないかと思ったのがきっかけですね。ブロックチェーンはP2Pプロトコルや暗号学などの既に存在している技術の組み合わせだと思っているんですが、既存のものを組み合わせて新しい仕組みを作ったというその発想自体も美しいなと感じたことを覚えています。

技術自体のポテンシャルは大きい反面、今までの経験という意味での技術の積み上げはそこまで必要じゃないと思っているので、ブロックチェーンの世界で勝負してみたいと考えました。

田原:僕は大森とは少し違う観点でブロックチェーンを勉強し始めました。自分は中小企業診断士の資格を持っているのですが、所属している研究会で発表をする機会がありました。周りの診断士の方は社会に出ていて経営のプロの方々なので、僕が経営の話をしたらボコボコにされるなって思ってテーマに悩みました。

診断士の人たちが知らなくて、かつお金や経済に関する話でテーマを探していたらブロックチェーンにたどり着きました。調べ始めたらブロックチェーンは面白かった。しかもポテンシャルが高い。発表ではICOや少額決済について反応がよかったことを覚えています。また中小企業と大企業の下請け関係では下請法があるのですが、お付き合いする親事業者の評価の部分でブロックチェーンが使えないかっていう話もしました。これも多くの人が耳を傾けてくれました。

牧野:BitPenguinを立ち上げたきっかけを教えてください。

田原:もともと大森とは学科の同期で、2人ともツイ廃なのでお互い顔を知らない時からTwitterで絡んでたよね。

大森:BitPenguinを立ち上げる前から田原と2人でブロックチェーンのプロダクトを作りたいねって話をしてたんです。でもしっくりくるアイデアが浮かばなくて。ブロックチェーンは知れば知るほどそのポテンシャルが高いことを感じていたのですが、技術的にはわからないことも多くて。

田原:今年になってうちの団体も参加したCryptoAgeのイベントとか、ブロックチェーン関連の勉強会は増えましたけど去年までは全然なかった。だからどうやってブロックチェーンを勉強すれば良いのかがわからなくて、だったら学生団体作ってみんなで勉強すればいいじゃないかって考えて作ったのがBitPenguinです。

牧野:なぜPenguin(ペンギン)なんですか?

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大森:first penguinってかっこいいなって思ってて名前に入れました。(first penguin:群れの中で餌を求めて最初に海に飛び込む1羽のペンギンを指すことから、リスクをとって初めてのことに挑戦する企業や事業を表す言葉として使われる)ブロックチェーンを勉強できる場所がなかったので、僕らがはじめようと思って。だからはじめはThe first penguinってそのままの名前の団体にしたんです。

田原:でもfirst penguinって少し意識高くて胡散臭い名前だよねって2人は感じてまして。もうちょっとゆるい名前にしようと思って次は「ペンちゃんず」って名前にしました。その結果、早稲田大学の友達に「その名前なら団体に入りたくない」って言われちゃって、また変えようと思いました笑 胡散臭くないけど、ゆるすぎない、そんな名前にしようと思って最終的に今のBitPenguinになりました。CryptoPenguinも候補にあったんですけど、仮想通貨に偏った団体と思われてしまうと感じたので、データの最小単位であるBitを使うことにしました。こっちの方がブロックチェーンの団体だって分かりやすいですしね。

牧野:研究会ではどんな活動をされているんですか?

大森:ブロックチェーンの基礎的な学習を進めています。まずはわかりやすいところでDAppsの開発の仕方とか、Solidityの書き方とかをやってました。最近は少し学術的な内容にしていて、Ethereumのホワイトペーパーを輪読しています。今後は実際にブロックチェーンを使ったプロダクトを作ってみようと思っていて、はじめにウォレットを作ろうかなと。

ただコーディングだけをする組織にもしたくなくて。というのも「できること」からの発想と「やりたいこと」からの発想って違うものが出てくるので、アイデアをどんどん出す場にしたいと思っています。

ブロックチェーンの応用可能性について日本で最も知見を持つ組織にしたいと思っているんです。ビットコインやEthereumなどのブロックチェーンのコアレイヤーに対して意見を述べていくことって結構ハードルが高いと感じています。また独自のブロックチェーンを作る動きも世界中で加速していますが、現実味のあるプロジェクトは少ないとも思っています。だから僕たちはちゃんと地に足をつけて、現実的にブロックチェーンを活用した応用可能性を企業などに提案できるような組織になりたいと思っています。

牧野:2人から見てブロックチェーンにどんな魅力を感じていますか?

田原:まず一つ目は個人のエンパワーメントが加速することです。例えばTwitterとかInstagramとかってフォロワーが多ければインフルエンサーとしてお金をもらった広告制作ができるようになりますよね。ブロックチェーンはそういう流れを加速させるかもしれないと思っていて、中央集権的ではなくて、もっと個人がエンパワーメントされて、個人が主導権を握る経済圏が作られるようになるんじゃないかと思っています。

二つ目としてはモノのエンパワーメントが起きることです。スマートコントラクトを利用して契約の自動化が実行できればモノが意思決定をして動けるようになるかもしれないと思っています。例えば今、Pepperが勝手に不動産の購入の契約を締結することはできないですよね。でも不動産購入を実行できるブロックチェーンやスマートコントラクトができると、Pepperでも不動産購入の契約を締結できるかもしれない。

ヒトとモノをエンパワーメントするかもしれないってとこに僕はブロックチェーンの魅力を感じています。

大森:僕はブロックチェーンがオープンイノベーションの推進につながるんではないかと考えています。例えば交通量や人口動態などのデータを使いたいと思った時、申請だったりお金が必要だったりします。ブロックチェーンを使ってデータを取得すること、データを利用することに経済性を持たせることができればデータは適切な価値で流通するようになり、利用者はスムーズな利用ができるかもしれません。

このように一部の人が持っているデータやライセンスなどが適切な価値を持って流通するようになれば、オープンなイノベーションが推進されるんじゃないかと思っています。

”オトナ”と違うチャンネルを持つ若者こそブロックチェーンを

牧野:以前取材とは別でお二人と話したときに、「若い人こそブロックチェーンにチャレンジすべき」と伺いました。その理由を教えてください。

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田原:確かに若い人にブロックチェーンに取り組んで欲しいという思い入れみたいなものはあります。ブロックチェーンは扱う知識や素養の幅がとても広いです。その点は多くの経験を積んでいる方の方が向いているかもしれませんが、もっと大事なことは現代の社会システムにチャンネルが合ってるかどうかです。今のシステムに慣れてしまっている方はブロックチェーンを理解したり、その応用性を考えることが難しいのではないかと思います。

例えば学生はわかりやすいんですが、まだ社会に出ていない身のため、そもそも社会のシステムに慣れていません。だから知識や素養にも壁を作ることもないですし、考え方も現実のシステムに引っ張られることは少ないです。

例えば最近で言うと漫画などの悪質なコピーサイトは確かに許されないものです。しかし沢山のユーザがついたことを考えると、これからはただ否定するだけでなく、あのようなコピーサイトを作っても作者に金銭的な価値が還元される仕組みを作ろうと考えることが大事です。

大森:この一件からユーザーとしては多くの漫画をなるべく安価に、手軽に読みたいってニーズを持っているわけですよね。ニーズを制限するのではなく、どうしたらそのニーズを受け入れる仕組みを実現できるのか考えられたらなと思います。すでに社会に出られている大人は無駄になるかもしれない新しいことに時間を割くことが難しいと思います。僕たちみたいな若い人は無邪気に「とりあえずやってみようぜ」って動くことが大事だと思います。

田原:損するリスクよりも何もやらないことの方がリスクが高いと思っています。特にブロックチェーンは。

牧野:今後チャレンジしていきたいことを教えてください。

田原:まずはブロックチェーンの応用可能性について、どんどんアイデアが創出される組織にしていきたいです。また「分散型社会」の本質を理解した人の集まりにしたいとも思っています。例えば社会に出て、企業に務めたとして、ブロックチェーンの仕事をしなくとも未来の世の中では必ず分散型の考え方は役に立ちます。

大森:田原と共有していることで、この組織は勉強会っていうよりは人の集まりであることを大事にしています。人はみんな異なる哲学を持っているので、多くの哲学に触れていきたいと思っていますし、その過程で世の中に対して何かしらプラスになるようなアイデアを提案していきたいと思っています。

牧野拓也
人事部所属、GameWith Magazine編集長。1989年生まれ、愛知県出身。2018年3月より現職。
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