「ブロックチェーンゲームは変化を楽しめ」ブロックチェーンゲーマー根本晃氏インタビュー

こんにちは。GameWith人事部の牧野です。

ブロックチェーンを活用したゲームが日本国内でも続々と出てきましたね。しかしプレイするユーザーの数は多いゲームで数百人レベルで、まだまだ黎明期と言えます。

そんな中2018年初頭からブロックチェーンゲームの情報を積極的に発信していたのがルワンダ在住の根本晃(ひかる)さんです。今回は根本さんが帰国されたタイミングでインタビューをすることができましたのでその模様をお伝えします。

感情を行動で返すことができる仮想通貨

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根本晃:公認会計士、フリーランサー。東京外国語大学を卒業後、有限責任監査法人トーマツに入社し会計監査業務に従事。その後、青年海外協力隊としてルワンダでボランティア活動を行う。
現在は再びルワンダに戻り現地で記帳代行ビジネス、ブログ、ブロックチェーンゲームなど自分の好きなことで生計を立て、同じような生き方がルワンダ人にもできないか模索中。運営ブログ「冷静と情熱のアイダ」

牧野:ルワンダでの活動について教えてください。

根本:一言で言うとフリーランサーです。ブロガーでもありますし、ブロックチェーンゲーマーでもあります。またルワンダに進出したい企業のコンサルティングも行なっています。元々はルワンダの雇用を増やすための活動を模索し、記帳代行の事業を興しました。しかし、ふとルワンダで働く人々や私と同じように現地に雇用を生み出そうと頑張っている人を見たときに、生き生きと働く人が少ないことに気づきました。もちろん目をキラキラさせて働く人もいるんですが、楽しそうに働く人が少ない印象がありました。

今日本をはじめ先進国の中には「好きなことを仕事にする」人が増えているじゃないですか。ライフスタイルの「リープフロック現象」(既存の社会インフラが整備されていない新興国などに置いて、新しいサービス等が先進国が歩んできた技術発展を飛び越えて一気に広まること。※Wikipediaより)とも言えるかもしれませんが、途上国においても先進国のビジネスをスライドさせるだけでなく、現地の人の才能や好きなことにフォーカスした仕事づくりがあってもいいんじゃないかと思ったんです。それに適していると感じているのがブロックチェーンゲームなんです。

現状のブロックチェーンゲームは初期費用が安くなかったり、無料プレイだけで稼ぐことができなかったりします。しかし将来的には無料プレイだけで価値を持つデジタルアセットが手に入るゲームが出てくると思っていますし、増えてほしいと思っています。そういうゲームを集めて、ルワンダの人にプレイしてもらえる場や環境を作れないかなといまは考えています。

ブロックチェーンゲームで稼ぐというと、生活に必要な金額は稼げないんじゃないかと思われますが、日本でお小遣い程度の金額でもルワンダでは生活するに足りる金額になることもあります。むしろルワンダのような途上国の生活水準の方がブロックチェーンゲームで稼ぐということが職業として現実的だと思っています。

ルワンダは娯楽が少ないという問題もあって、娯楽といえば音楽を聞くこととサッカー観戦くらいです。それ以外の時間はずっとぼーっとしている人が多いんです。工事現場の周りによく人だかりが出来ているんですが、「工事現場よりもエキサイティング」なコンテンツがないというのがルワンダの娯楽状況です。それが悪いというわけではないですが、選択肢がとても少ないという現状は変える意味があると思うので、ゲームが娯楽の一つになってくれるといいなとも思っています。

牧野:根本さんのブロックチェーンとの出会いのきっかけは何でしょうか。

根本:もともと投資が好きだったということもあり、2016年初頭に初めて仮想通貨を購入しました。ブロックチェーンの技術への関心はそれほどなく、当たりやすい宝くじかなという感覚で購入していました。2017年に入り、ネットなどで仮想通貨やブロックチェーンのニュースが目につくようになって、改めて勉強をしてみたんですね。そこでブロックチェーンの技術自体のポテンシャルに驚かされました。そこからは本格的に技術について勉強をはじめ、技術に基づく投資を行うようになりました。

牧野:ポテンシャルというと具体的にどの部分に惹かれたのでしょうか。

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根本:最も印象的だったことは、少額のお金をP2P(Peer to Peer)で送金できることでした。当時私が抱いていた問題意識の一つにボランティアへの参加ハードルの高さがありました。インターネットが広がり、世界中の情報をリアルタイムで手にすることができるようになりましたよね。例えばルワンダで大きな事件があって、これだけの被害が発生しましたというニュースをTwitterで見たとします。見ると「かわいそう」とか「悲しい」とか「応援したい」とか何らかの感情や気持ちが芽生えます。でもその気持ちを形にすることって難しいんですよね。飛行機で現地に行き、直接ボランティア支援をするのは時間的にも金銭的にも心理的にもハードルが高い。クラウドファンディングでも一口3,000円とかで、見ず知らずの人に、そして出したお金が本当に意図した用途に使われるのかもわからずに支払うのもハードルが高いです。

でもビットコインなどの仮想通貨を使えば少額で、かつ金融機関を通さずに送金することができます。ルワンダの事件を報道するニュース記事の一部に「ビットコインで義援金を1円から送ることができます」とあったら、ニュースを読んで抱いた感情や気持ちを「10円分のビットコインを送金する」という行動で表すことができるかもしれません。

このようなボランティアとか社会的な問題に対する人々の感情が行動に移り変わるかもしれないと考えたときに、ブロックチェーンの技術のポテンシャルを強く感じました。

牧野:ブロックチェーンゲーマーとしてTwitterやブログで活躍されている様子を拝見しています。ブロックチェーンゲームとの出会いについて教えてください。

根本:先ほどのブロックチェーン、仮想通貨のお話の続きになりますが、P2Pの少額決済、送金を可能にするブロックチェーンに注目した私はルワンダで法人を作り、ルワンダ内で仮想通貨を広めようと考えました。というのもルワンダの人がビットコインを手にしたとしても決済に使えるお店やサービスが少ないですし、現地の通貨と交換する場所もありません。実際ルワンダ開発庁の方に仮想通貨についてお話を聞きに行ってみると、仮想通貨をあまり認知していない様子だったんですね。

日本でなぜ仮想通貨が盛り上がっているかというと、みんな余剰資金を持っているからなんですね。値上がりが期待できる投資先を探しているときに仮想通貨が出てきて、そこに多くのお金が集まった。ルワンダではそもそも余剰資金を持っている人が少ないんです。だから政府も仮想通貨を認知しようとはしていないし、広める活動もしていない。この現状を知ったときに仮想通貨を広める活動は難しいと思い、一旦ストップすることになりました。

そんなときに出会ったのがEthereumのブロックチェーンゲームである「Etheremon(イーサエモン)」です。もともとゲームは好きでしたし、ブログのネタにもなりますし、どんな仕組みなのかを調べるために触ってみました。その他のブロックチェーンゲームもプレイしたり、ブログで紹介することを通じて、ゲームをプレイすることでデジタルアセットの価値が高まっていく様子が見えてきて、仮想通貨よりもブロックチェーンゲームの方がルワンダで広めるコンテンツとしては適切なのではないかと感じるようになりました。そこからブロックチェーンゲームにのめり込むようになりました。

牧野:ずっと何かのゲームを触っている印象があります。

根本:そうですね。基本仕事の時間以外は何かしらのゲームを触っています。朝起きたらまずGoogle Chromeを立ち上げ、Metamaskを起動し、イーサエモンにアクセスをする。これが私の毎朝の行動パターンです。ゲームにアクセスしたら一通りトランザクションを走らせて、別のタスクをこなす。トランザクションが終わった頃にゲームに戻って、またトランザクションを走らせるというサイクルです。

ルワンダにいるためゲームのプレセールの時差に振り回されることもしばしばあります。最近はブロックチェーンゲーム中心の生活になっていますね。

ブロックチェーンゲームは開発陣に注目すべき

牧野:ブロックチェーンゲームの魅力についてどう感じていますか?

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根本:現状のブロックチェーンゲームはゲーム性が乏しいです。単純にゲーム性を求めるのであればコンシューマーゲームをプレイした方がいいです。ただそういったゲームってプレイした後に虚しい気持ちになることがあります。どれだけ長い時間ゲームをプレイしても、多くのアイテムをゲットしても、あくまでゲームの中の単なるデータでしかないんです。

ブロックチェーンゲームはプレイすればするだけ自分が獲得したアセット(資産)の価値が高まります。ゲームに打ち込むことにある種の安心感を持つことができるのがブロックチェーンゲームの一つの魅力だと思います。

牧野:注目しているゲームは何でしょうか。

根本:まずはイーサエモン、次にETH.TOWNです。僕だけじゃなく、ブロックチェーンゲームを楽しんでいる人の多くは、変化を楽しんでいます。バトルが実装されたとか、RPGのゲームが登場したとか、ブロックチェーンゲームの業界ではどんどん変化が起こっています。個人的にはブロックチェーンゲームは伸びしろを楽しむことも大切だと思います。伸びしろをどうやって感じるかというと、ゲームの開発陣をよく見るとわかります。先述のイーサエモンやETH.TOWNは早い時期からTwitterを通してユーザーとコミュニケーションを図っています。また日本版も公式アカウントが作られ、日本人ユーザーからのフィードバックも真摯に受け止められています。ユーザーの声が直接ゲームに反映される仕組みとなっているので伸びしろを強く感じています。

牧野:ルワンダでブロックチェーンゲームを広めることでどんなことを実現したいですか。

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本人より提供

根本:ルワンダではゲームをする人が少ないので、まずはゲーム文化を広げることからスタートします。また低コストで稼ぐことができるブロックチェーンゲームが少ないのでこれも時間がかかるかなと思っています。

まずは1人でも2人でも成功例を出すことが重要だと思っています。ブロックチェーンゲームで稼ぐことができた人が現れれば、口コミが広がる可能性もありますし、そういった流れを作りたいと思っています。

長い目で5年から10年くらいはかかると思っています。ルワンダ全土に広げていくよりもまずは目の前の人を幸せにしたい。無理に開拓していくスタイルではなく、関係する人々が不幸せにならないように気をつけながら展開していきたいと考えています。

牧野拓也
人事部所属、GameWith Magazine編集長。1989年生まれ、愛知県出身。2018年3月より現職。
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