「ブロックチェーンが世界を変えるかどうかは僕たちにかかっている」エンジニアが今知るべき世界を変えるチャンスとは

こんにちは。GameWith人事部の牧野です。GameWith Magazineでブロックチェーンの記事を書くため、いろんなイベントに参加してます。イベントではエンジニア向けのものが多く、Ethereumなどのブロックチェーンでどんな技術が使われているか、どんなアプリケーションが作られているかを学んできました。

そんな中出会ったソフトウェアエンジニアの福田涼介さん(通称ゆずしお)にいつも勉強させてもらっているのですが、ブロックチェーンを考える上でとても刺激的な内容が多いので、今回取材という形で記事にしてみました。

ブロックチェーンは世界を変えるポテンシャルを持っている

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福田涼介プロフィール:大学1年の時に、当時立ち上げ中であったメルカリ ソウゾウにiOSエンジニアとして参画。1年7ヶ月の間メルカリアッテなどの新規事業の開発を行う。その後2017年7月にDMMグループで仮想通貨事業を立ち上げ、株式会社ネクストカレンシーを設立する。個人プロジェクトでEthereumのiOSフレームワーク EthereumKitの開発やPlasmaのGo実装などを行う。

牧野:ゆずしおがブロックチェーンを知ったきっかけは何でしたか?
ゆずしお:大学1年生の時にIndieSquareというアプリを知人に教えてもらったのがきっかけですね。
IndieSquare

IndieSquareは独自のトークンを作ることができるアプリで、そこで初めてビットコインっていう仮想通貨、それを創り出しているブロックチェーンという技術があることを知りました。でも「それって何がいいの?」っていう感じで面白そうだなとは思ったんですけど当時はスルーしてたんですよね。

それから1年くらい経って僕はメルカリで働いていたんですが、同僚からBitcoinやEthereumの話をよく聞くようになりました。時間もあったタイミングなので仮想通貨やブロックチェーンについて調べることにしました。また仮想通貨も買いました。BitcoinとEthereumとRippleを買いましたね。そこが僕とブロックチェーンの関わりの始まりです。

関連する本を読んだり、Youtubeでブロックチェーンや各プロジェクトの概念や思想的な技術以外の内容の動画を見たりしているうちに、「あれ、ブロックチェーンって結構すごいんじゃないかな」って思い始めました。これまでは実現できなかったことが、ブロックチェーンの技術とトークンやアセットを利用したインセンティブで可能になっている感覚を持ちました。Bitcoinでいえば、誰かが中央で管理をしているわけではないのに価値が保たれて決済などに使われるかもしれないって普通にすごいですよね。僕ももともと現金をあまり持たないで生活しているので、現金を無くせるとも思いましたね。あと、「新しいお金」を作るってことが新しいですよね。

牧野:ブロックチェーンについてどう捉えているか。
ゆずしお:ブロックチェーンは技術の一つです。世の中にはいろんな技術があって、飛行機を飛ばしたり、宇宙にロケットを送ったり、家を建てるのも一種の技術ですよね。でもそれぞれの技術のポテンシャルの大きさはまちまちだと思っていて、そんな中でブロックチェーンのポテンシャルはとても大きいと思います。

歴史上これまでたくさんの革命が起きました。比較的近代の話だと産業革命や情報革命が起きてますよね。僕の中で近代の変化が革命と呼ばれる条件として、今までそれを行うために必要とされていた労力が10分の1もしくはそれより少ない労力で可能になることが必須だと思います。近代の革命って技術がもたらす要素が今までに比べて大きいと思っています。産業革命はある意味人間が行なっていたことを機械で置き換えることができました。それにより生産における「労力の問題」を格段に改善することができました。情報革命はインターネットによって、情報伝達の「距離の問題」を解決し、これまで必要だった時間を格段に減らせるようになりました。そして遠くない未来に次の革命と呼ばれる変化をもたらすことができる技術の一つにブロックチェーンがあげられると思います。ブロックチェーンがどんな革命を起こすかどうかはまだわかりませんが、どんな問題を解決するかというと「信用の問題」を解決するんじゃないかと考えています。

僕たちは普段、サービスを利用する上で、第三者によって信用を担保してもらっていることが多いです。例えば銀行の送金がわかりやすくて、銀行という第三者を通すことで、二重支払いが防げたり、間違った送金を取り消したりできます。このように無意識のうちに第三者が個人間の信用や信頼を担保していることで成り立っているビジネスは大きいものも多く、金融などの分野は特に顕著です。

仲介者がいるサービスはそこに手数料が発生したり、たくさんの情報が集中するのでハッキングなどによる情報漏洩のリスクは高くなります。これらの問題をブロックチェーンの技術で分散化かつ非中央集権的な仕組みを用いることで解決できる可能性が秘められています。

それとスマートコントラクトについてです。スマートコントラクトは今でいう契約をプログラムが自動で実行する仕組みのことです。

よく例に出されるのが自動販売機で、お金を入れて(条件1)、欲しい商品のボタンを押す(条件2)、そうするとその商品がでてくる(結果)といった感じです。構想自体はBitcoinができるより昔から存在していました。しかし、ブロックチェーンが生まれるまでのスマートコントラクトだと、実行結果を自分で正しいかどうか確かめる必要があったのです。自動販売機でいう、出てきた商品が本当に自分が押した商品かどうかを自身で確かめる必要があります。
自販機はカジュアルな例ですが、これがお金関係の契約の場合、税理士さんや会計士さんの証明が必要ですよね。つまり税理士が承認しているから信頼できる、という関係です。ですがこれも税理士によって基準が異なっていたり、スキルが異なっていると汎用的に信じることはできません。スマートコントラクトをブロックチェーンの技術を利用して行うことで、結果が常に正しいことを保証することができるようになり、改ざんが不可能でトラストレスに個人間で上記のような契約を施行することができるようになります。

牧野:ブロックチェーンの技術的な知識はどうやってキャッチアップしてましたか?

ゆずしお:まずは取引所で買ってみた仮想通貨の用途や仕組みを調べるところから始めました。BitcoinやEthereumの仕組みもあまりわかっていなかったので、送金や取引の仕組みがどうなっているのかを勉強しましたね。通貨ごとにどんなプロジェクトで、どのブロックチェーンの技術を使っているのか、ホワイトペーパーとかも読みました。それからどう実装されているかも調べました。当時はCryptoKittiesもなかったです。なので勉強としてできることと言ったら、自分でノードを立てたり、プロトコルを別の言語で実装したりするくらいしかなかったですね。例えばEthereumはGoで書かれているGethが有名ですが、この中の一つの機能をSwiftで書いたりとか。始めた時はブロックチェーンに興味のあるエンジニアがとても少なくて、自分がここにコミットすれば先駆者になれるんじゃないかと思いました。

それと評判のいい技術本は大体読みました。読んだんですけど全部を理解しているかというとそうではなくて、どう動いているかとかは大体わかる感じです。実装するにはまだ理解ができていない部分もありますが、特に自分が使うもの、例えばウォレットの仕組みなどはしっかり理解して自分で実装したりしました。実質学んで実装して学んで実装してを繰り返しています。

僕はブロックチェーンの将来性にはとても注目していて、現状ビットコインやイーサリアムだけじゃなくて、ブロックチェーン全体で解決しないといけない問題はたくさんありますが、実用可能になると思っています。そのタイミングが訪れた時に面白いことができると思っていて、第三者を必要としているサービスが、トークンなどによるインセンティブを駆使して、様々なことがブロックチェーン上でトラストレスにそして分散的に行うことができるようになると思います。

ブロックチェーンを学習していく中で、僕は世界を変えられる可能性が30%くらいあるんじゃないかと感じました。今いる世界中のブロックチェーンエンジニアやコミュニティーが本気で頑張れば、3回チャレンジしたら1回くらい革命を起こせるんじゃないかなって。僕はITのうねりの中で生きていきたいので、10年くらいブロックチェーンにどっぷり浸かろうと考えましたね。

まずやろうとしたのは誰でも使える仮想通貨の取引所・販売所で、いまの仕事に当たります。そもそも仮想通貨を持っている人がまだ限定的なので、多くの人が仮想通貨を持つようにしたいと考えました。ブロックチェーンのアプリケーションとして利用用途を先に作っていくか、それとも仮想通貨を持つ人口を増やしていくかのどちらかを考えたのですが、仮想通貨は投資の側面もあって、持つ理由もあるので、先に仮想通貨を多くの人が持つ機会を提供する取引所の開発をやることにしました。

今仮想通貨を売買している人は投機目的が多いと思います。でも仮想通貨のユースケースが増えていくと、取引所は換金所みたいな形になると思ってます。通貨の価値の移行が完全にならない以上は法定通貨との交換場所は必要で、そうなるとリテラシーの高い低いに関係なく、簡単に仮想通貨と法定通貨を交換できる換金所みたいなイメージになっていくと思います。

牧野:プロトコルとアプリケーションはどっちが好き?
ゆずしお:僕の場合はアプリケーションですね。プロトコルが好きじゃないとかではなくて、自分のモチベーションが「多くのユーザーが使うかどうか」に左右されるので。最低でも自分が使うもの、よくいえば多くの人が使ってくれる、目に見えるものが作りたいと思ってます。またブロックチェーンについても特段好き嫌いはない方なんですが、最近はEthereumが多いです。

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本気でブロックチェーンにコミットしている人とは話すことも多くて、同僚の篠原さん、Ethereum開発コミュニティのHi-Ether、EthereumのイベントをオーガナイズしているCryptoAgeの人たちとはよく話しますね。ただ「どういうアプリケーションを作るか?」っていう議論は少なくて、というのもEthereumはまだ大きな問題を抱えていて、それらの解決策の提案の話とかが多いです。でもブロックチェーンのアプリケーション(DApps)を一般のユーザーが使うことを想定すると、こういう機能が必要だよねとか、そういうアプリケーションを作る前の段階の議論が中心になってますね。今は正解がない状態なので、一般的なWebサービスやモバイルアプリを作るときとは違った観点で物事を考えることがほとんどですね。

ブロックチェーンは僕たちエンジニアにかかっている

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牧野:ゆずしおのブログを読んで、「ブロックチェーンは僕たちエンジニアにかかっている(文言あとで変える)」というメッセージがあり、とても刺激的でした。この言葉の背景を教えてください。

ゆずしお:ブログでは考えたこととかを発表しないと勿体無いと思って書いてます。ブロックチェーンという技術が今後普及して、様々なサービスに取り入れられるかはエンジニアにかかっていると思い、このブログを書きました。ブロックチェーンにかかわらず、ITの世界は基本そうだと思っていて、「何を作るか、どう作るか」を決めて、実装するのはエンジニアなので、エンジニアが動かないと何も始まらないと思っています。ブロックチェーンで言うとプロトコルレイヤーのエンジニアだけが頑張ってもダメで、アプリケーションレイヤーでもエンジニアが活躍しないとダメ。そうしないとせっかくのブロックチェーンという高いポテンシャルを持っている技術も実用化が難しくなってしまいます。なのでブロックチェーンは僕たちエンジニアにかかっていると言っても過言ではないと思います。

それからブロックチェーンに関わらず、これまで当たり前だと思っていたことが変化していく時代になっていると思っていて、例えば1,000円の商品を買うには1,000円札を使って書いますよね。でも将来は1,000円札っていうもの自体が存在しなくなっていて、代わりの価値の媒体でやりとりをしているかもしれないです。仮想通貨とか。

それに株式会社という仕組み自体もそうです。会社が株式を発行して経営を行うという仕組み自体、比較的最近出てきたシステムで、当時の人は「なぜ実体のない株を持つのか」と不審に感じていたと思います。でも今は当たり前のように株式の売買は行われていて、時価総額で企業規模を語るようになりました。

このような効率化とかの類ではなくて、仕組みや考え方自体が変わるタイミングがあると思います。ブロックチェーンもタイミングがきたら同じようなポテンシャルを発揮するかもしれないし、それを僕自身も楽しみにしています。

ブロックチェーンは将来性があるとは思っていますけど、エンジニアがまだまだ少ない。それも当然で、学ぶことが多いんですよね。エンジニアとしてのスキルセットはもちろんのこと、ブロックチェーンの知識や考え方も理解しなきゃいけないし、先人の知恵みたいなものも少ないので、コミュニティの中で学ぶ姿勢がないといけない。

僕自身も日々勉強しながら、人に意見を聞きながら開発をしています。世界を変えるサービスやアプリケーションを作ることができるチャンスが目の前にあると思って、ブロックチェーンに挑戦するエンジニアが増えてくれると嬉しいと思っています。

牧野拓也
人事部所属、GameWith Magazine編集長。1989年生まれ、愛知県出身。2018年3月より現職。
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